FX 調子に乗ると天罰有 第11話

FX 調子に乗ると天罰有 第11話

 今までのあらすじ

2007年11月にあった超円高相場の第一波を「休み」で乗り切ったキヨプー。休み明けの2月からの売買は好調そのものでした。

しかし・・・・

運用利益200万円超える

利益確定

キヨプーの快進撃は続いた。

利益確定

キヨプーの快進撃は更に続いた。

利益確定

キヨプーの快進撃は更に続いていたのだった。

7月ごろまでに利益金額は200万円を超えていた。

え?

その程度かって?

キヨプー:\(◎o◎)/! こ、これでも頑張っているんです。

でも、その指摘は正しい。

実は、ちょっとおかしな現象が起きていた。

異変

いつもなら快進撃という時はもっと利益総額が膨らむはずだった。それが、この時は売買回数は多く利益確定の回数も多いのに利益総額の伸びは弱かった。

キヨプーの普段の好調時にはこういう売買が多い。

  • 売買回数は少なめ。
  • 1回辺りの利益金額は大きい。

一回利益確定をするとそれなりに利益総額も伸びる。しかし、この時はこういう傾向の売買だった。

  • 売買回数多い。
  • 1回辺りの利益金額は小さい。

今振り返ると、ちょっと上がってはすぐに利益を出すという売買が多かった。好調時は、じっくりと利益が乗るまで待つことが多く、1回辺り500円幅で利益を出すのも珍しくはない。

しかし、この時は大きめでも1〜2円幅の売買だった。

どうも、調子に乗っていつもの売買が狂ってきているようだった。

狂いだしたリズム

いつもの売買と違うのに利益が出ている。

それは、言ってみれば「運」のお陰に過ぎない。

しかし、投資家の多くはそれを実力と勘違いをする。

当時のキヨプーもそうだった。

2008年前半の豪ドル相場の値動きもその勘違いを助長した。戻りの弱い米ドルなどを尻目に豪ドルは上げ続けた。この頃、FX投資家の9割は何らかの形で「スワップ目的投資」をしていると言われていた。

しかし、米ドルやユーロうあ英ポンドなどは金利の引き下げにより、スワップ金利も減少していてスワップ投資の対象として魅力が薄くなっていた。

これによって、豪ドルにスワップ投資家の人気が集中するようになっていた。そのため、7月ごろには前年の高値を超える水準まで上昇していた。

豪ドル専門でスワップ運用が中心のキヨプーは「儲かって当然」の状況であった。200万円の利益には「運」の力が大きかったのは間違いないのだ。

当然、こういう時は注意すべき時だ。

それなりの対策を打っておかねばならない。

そして、一番注意すべきは「傲慢・うぬぼれ」だ。多くの相場師が口を揃えてこう言っている。

「失敗の芽は成功している時に生まれる」

この格言に例外はない。過去の相場師達の本を読めばそれは納得できるはずだ。

「大儲けして大勝した後は必ずといってよいほど大損をする」

こんな常識は、冷静なときなら誰もがわかって注意しているはずなのだ。キヨプーもわかっているはずだった。

それなのに・・・

それなのに・・・・・・

この時の、キヨプーは・・・・・・

キヨプー:\(◎o◎)/!

お、俺はFXの天才かも!
この利益は俺の実力よ!
豪ドルの上昇も実力のうちよ!

既に充分に「うぬぼれ」ていた。

天罰が下るのは時間の問題だった。

昔、「天国に一番近い島」・・という映画があった。

このタイトルに乗せてしまえば、当時のキヨプーは・・・

「天罰に一番近い男」

・・・だった。

次回へ続く

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