底の底 FX大損地獄 第15話

底の底 FX大損地獄 第15話

損切りチャンスの逃して含み損が大きく膨らんだキヨプー。自分できづかない内に日常生活にも異常が出始める。その結果、70円台で大きくポジションを減らす。

しかし、暴落は止まらない。

底無し沼の底の底

この暴落で一番苦しかったのは、豪ドル70円台前半の時だった。

ここでポジションを減らした事でその後の下げはかなり冷静に見ていられたと思う。

しかし・・・・呆れるほど下げた。

60円台でも下げ止まらない。

豪ドルは、遂に50円台まで突入する。

公開口座のスター為替証券口座の含み損も1000万円を超えていた。当時のチャートを今見ればこの辺が底値にかなり近くなっていた。

しかし、多くの投資家には「底が見えない相場」としか映らない。

「底が見えない。豪ドル40円台や30円台もあるかも・・・」

下げ続くと本気でこう思うようになる。豪ドルは100円台から50円台まで下げてきた。あと10円や20円下がるのだってなんら不自然ではない・・・と考えていたのだ。

キヨプーも覚悟を決め始めていた。

キヨプー:(・_・;) ここは、一旦損切りして清算してしまおうか。

この頃のキヨプーのスワップ投資ポジションは30円台に突入しても耐えられるような状況にしてあった。70円台の時にポジションを大きく減らしたので運用資金にかなりの余裕が出ていた。

余裕は、投資家に正常な思考を取り戻させる一番の薬となる。

不思議な事に70円台で損切りをした時よりも50円台の時の方が思考が冴えていた。

キヨプー:(・_・;) 幸い、くりっく365は損失繰越が出来るからね。

1000万円クラスの損切りで損失繰越が出来ないと後日非常に不利になる。損失繰越が出来るのと出来ないのとでは税金で数百万円の差が出てしまうのだ。

この損失繰越について簡単に説明しておこう。

損失繰越を利用して損失確定

総合課税のFX業者では損失繰越が出来ない。

「損失の額が大きければ大きいほど翌年利益を出した時の税金の差は大きくなる」

FXで利益が1000万円くらい出ると総合課税の場合には税率は40%以上となる、仮に、税率40%として税金は400万円となる。

前年度に1000万円の損失繰越をしている場合はその税金がゼロ円となる。これは、くりっく365口座や大証FX口座の場合に出来る。

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これ以外の通常のFX口座の場合には、損失繰越が出来ないために、1000万円損をした翌年に1000万円の利益を出した時には、税率40%として400万円の税金を払わねばいけなくなる。

これを理解している人であれば、大きな含み損を抱えた時には損切りをためらう要因ともなりかねない。

損失をためうことで被害を大きくする可能性も高くなる。損失繰越が出来ないFX口座にはそういう弊害がある。

ちなみに、2011年現在税制改正の中にFXの税制を分離課税に統一が決定した。おそらく2012年以降は、この弊害がなくなると思われます。

本題に戻ろう。

最終決済 50円台後半

「2008年10月28日 57.38円にて決済」

キヨプーは、大きな含み損を抱えたポジションを遂に決済した。ここからの復活の為にも一度頭をスッキリさせるのが良いと判断したのもその背景にはある。

損失繰越の期限は3年。この期間にこの損は取り返すぞ!

キヨプーは、密かにそう決意していた。

この暴落では大きな教訓を得た。

その教訓を次回からまとめてまいります。

まとめ

「底無し沼の底の底」

暴落相場の一番の恐怖は「底が見えなくなる」ことです。豪ドルが30円台になるかもしれない・・・なんて事を本気で心配するようになります。

次回へ続く

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