FX 決済すべき時期とはいつなのか

FX 決済すべき時期とはいつなのか

FXの決済時期は、どの投資かも大きく悩む部分です。利益は大きくしたいし、損切りは少なく収めたいと誰もが考えますが、なかなかうまくいかないものです。以下の話を参考にされてみてください。

前回、私はこう書きました。

「ここで決済したのには「腹八分」以外にも逆らえない理由があった。」

今日は、その理由についてです。

もう一つの理由:場帳の違和感

2007年当時も今も私がFX運用でもっとも重視しているものは変わりません。

  • 場帖
  • グラフ

売買道具 現物写真

豪ドルの売買判断はこれが全てです。前回書いた「腹八分以外にも逆らえない理由」も、場帖からの違和感が原因だったのです。

日々記入していて「あれっ? ちょっとおかしいぞ」と感じる日が年に数回程度あります。これが違和感です。この感覚は、どこかがおかしくなっているという警告のようなものでもあります。

これが「違和感」です。

場帖記入時に「おかしい。決済すべし」という決定をした以上、それに従うというのは私の運用法では絶対に守らねばならない事項の一つでもあります。

でも、当時のキヨプーの心境は複雑でした。

キヨプーの心境

本当はもっと上昇すると思っていたし、そこまでポジションを持ち続けていたかった。35万豪ドルの買いポジションを持っているのだから、5円〜10円の値幅を取りたかった。

そうすれば、売買利益は175万円〜350万円にもなる。

ところが、実際の決済利益は61万円程度・・・正直不満だった。

もっと・・・もっておいて豪ドル110円くらいで決済・・・まで引っ張りたいとかなり迷った。

でも、それは場帖が許してくれない。

毎日記入している場帖は、「そろそろ売るべし」と訴えていた。オジサンの投資法は「サヤすべり取り」だが親戚投資法ともいうべき「うねり取り」「リズム取り」「サヤ取り」には、大きな共通点がある。

「場帖とグラフから受ける感覚には基本的に従う」

この意味は、場帳・グラフトレーダーの鉄則でもある。なぜ、そんなものに従うのかという反論もあるがこれはやってみればいずれわかるようになる。

キヨプーの場合もそうだった。なんとなく書き続けていくうちにその感覚は少しづつ身に付いてきたように思う。

これは、言ってみれば・・・・

  • 料理で調味料や材料の分量を「目分量」とか「大体このくらい」というのを体で覚えるような感覚
  • スポーツの試合などで「ここで勝負」と技をかけるタイミングを瞬時に判断するような感覚
  • ビジネスで大勢で議論してもなかなか名案が出ないのにある時の閃きによって道が突然開けていくときのような感覚

・・・とでも置き換えられる。

場帖やグラフを記入していくとこの感覚が鋭くなっていく。

誤解しないで欲しいのは、この特殊な感覚があるのは年に数回程度で毎日何か感じたりはしない。売買の9割くらいは基本ルールを元にコツコツとやっている。年に何回かこの特殊な感覚が朝の場帖記入時に出てくるという微妙な違和感にすぎない。

毎日毎日地味な1分の場帳記入を続けていくからこそ感じられるようなものと言ってもよい。

だからこそ、その違和感はとても重要になる。

この時もそうだった。

キヨプーは株と商品先物で「サヤすべり取り」をやって利益を出してきた。FX売買においてもこの方法は有効であった。

未練だらけの決済

でも・・・・

でも・・・・

「豪ドルはもっと上がる」

そんな確信にも似た気持ちもあった。実際。各種指標やブログなどは「ガンガン買おう」とか「スワップ金利で月100万円目指せ!」なんて景気の良い話がたくさんあった。

「FXが儲かるのはこれからだ!」と誰もが思っていた。

FXがかなり復活してきた現在でもスワップ金利で月30万円もあると「かなり凄い」と言われることを考えれば当時の過熱振りが容易に想像できるだろう。

これだけ勢いの良い話は2011年現在ではまず聞かない。

まあ・・・正直言って聞かない方が良い。

その理由は近い内にわかる。

話しを戻そう。

前回も書いたが、2007年当時は、スワップ投資の大ブームだった。

その中心通貨である豪ドルには、特に資金が買いポジションが集中していて、その買い注文で豪ドルの値はさらに上昇し続けていた。

「多分、豪ドルは確実に110円を超えるだろうな」

FX投資家のほぼ9割が自信を持ってそう言っていたと思う。そんな時にキヨプーは、104円台で全ての買いポジションを決済したのだった。

後ろ髪を引かれる思いであった。

えっ・・お前の髪薄いだろって?

確かにそうだ。

でも、当時は髪の毛があった。

多分あった。

・・・・・ような気がする。

キヨプー:\(◎o◎)/! 

ちょっと待て。なんか、とって惨めな気分だぞ。

それになぁ。

俺は、まだ後ろ髪はあるぞ!

まだまだ掴めるくらいあるんだよぉ!!!

・・・ わ、わかりました。何かとても哀れな気分になり、心を打たれました。先に進みましょう。

とにもかくにもキヨプーは、豪ドル買いポジションを全て決済した。

これは、キヨプーに思わぬ幸運をもたらすことになる。

・・・・・ 次回へ続く

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