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暴落前の話 第5話
場帖に従い全ポジションを決済したキヨプー。しかし、豪ドル相場はその後も上昇傾向が続き、キヨプーはかなり焦ります。そんなある日・・・・・・・豪ドルは1日5円の大幅な下げをしてしまいます。
何かが始まる予感
2007年11月12日
豪ドルは、前日の104.8円から一挙に99.9円まで約5円下げた。当時の場帖を見直してみると、これが暴落相場始まりの合図だったといって良い気がする。
キヨプーは、当時既に「豪ドル専門」で運用していた。その時点で豪ドル専門で4年くらいの経験は積んでいたので、大体の値動きは頭の中に入っていた・・・つもりだった。
しかし・・・・5円・・・・・というのは想定外
豪ドルは、「大きな動きで1日1〜2円程度」というのが通常の範囲の値動きだ。5円という値動きはキヨプーとしては初めてだった。
・・・ 何かが始まる・・・
その時にそんな予感があった。その予感を持ち続けていればその後の悲劇はないのだが・・・これについては後日話す事になるのでここでは本題に戻る。
その後も豪ドルは乱高下を続けた。
- 11月13日 97.3円
- 11月14日 100.3円
- 11月15日 99.9円
- 11月16日 97.9円
- 11月19日 99.8円
豪ドルは、通常は1日に1円も下げれば大きな動きだと考えれば毎日のように大変動が続いている状況だった。下げの解説はいろいろとされていた。その中に、スワップ投資家にとって重要な教訓となるべきものが一つあった。
「スワップ投資で失敗しないために絶対に心に刻んでおくべき事」
・・といってもいい。
解説:1日5円円高の理由
下げが突然起きて急だった理由としてこういう事が指摘されていた。
「高レバレッジ スワップ投資の崩壊」
緩やかな円安相場がずっと続いていたため、スワップ投資をしている人のレバレッジもかなりあがっていた。僕の記憶では、レバレッジ10倍や20倍でスワップ投資をやっている人もかなりいた。
豪ドル100でレバレッジ20倍であれば必要証拠金は5万円となる。
1日数円の円高があれば、証拠金は全て飛び、ポジションも強制ロスカットされてしまう。これが円高を加速した。
- 急激な円高で強制ロスカット発生
- ロスカットによる強制決済注文で円高が更に進行
- 更なる円高進行で更に強制ロスカット発生
- ロスカットによる強制決済注文で・・・・
・・・・・ この負のスパイラルが何重にも重なって下げ幅は5円となった
その時の5円の下げを主導したもう1つの要因がこれだったとも言われている。この指摘はほぼ間違いないだろう。翌日のブログをチェックした際も「強制決済された」とか「起きたら資金が消えた」などのブログ記事タイトルが大量に並んでいたのを今でも覚えている。
この部分は、最近スワップ投資を始めた方にも気をつけて欲しいと思う。
2011年に同じような環境が生まれる可能性もあるのです。
ここ数ヶ月為替の値動きが緩い展開がずっと続いていました。こういう流れになってくると同じ資金量でも取引量が増やしたくなっていつのまにかレバレッジがあがっていたりします。
この状況は、相場が急変してついていけないときなどに思わぬ損失を出してしまう事にもなります。
まだ、今の状況は2007年当時ほどではないので厳重に注意するほどではありません。それでも、こういう部分は基本ルールで運用規模を縛っておくのが賢明です。
・・・ では、物語に戻りましょう。
下げ幅 10円を超える
11月の末に豪ドルは更に下値を更新する。
11月27日 93.6円
下げ開始前11月9日の豪ドル値は、104.8円だったのを考えると既に下げ幅は10円まで拡がっていた。買値から10円くらい下げるとレバレッジ10倍くらいのでも強制ロスカットされる水準となる。
更に、レバレッジ5倍くらいでも証拠金は半分以下となるため、かなりのプレッシャーとなり恐怖で損切りを実行する人が増えてくる。
・・・ 底知れぬ恐ろしさを感じる日々であった。
さて・・・
主人公、キヨプーは・・・・
キヨプー:(・_・;) あっ、僕ポジションゼロだったから運がよかったよね。
・・・・ それでさぁ
・・・ まあ、キヨプーの話しは紙面の無駄なのでどうでも良い
キヨプー:\(◎o◎)/! お、おい、俺は主人公じゃないのか。なんで、どうでもいいんだよ〜。
脳天気なキヨプーはさておき・・・相場は小康状態に入って落ち着きだした
・・・ 次回へ続く
まとめ
「暴落初期の教訓」
数年間緩い相場が続くと人の心に油断が生まれます。その気持ちが自分でも気づかないままに「ハイリスクな運用」になってしまう事があります。
2007年当時が正にそうでした。2011年も似たような展開になる可能性もあります。反面教師の教訓として活かしていきましょう。
・・・・・ 次回へ続く