FXレバレッジはどうすれば失敗しないか 第7話

FXレバレッジはどうすれば失敗しないか 第7話

読者の中に、FXを最近始めたという方も増えてきましたので「レバレッジ」の復習をしておきましょう。FXを始めたばかりのときは、皆無理をして失敗し易い傾向がありますので、特に慎重にやっていくことをオススメします。

レバレッジと下げ幅の関係

レバレッジはFX運用でどれだけのリスクを取っているかの目安です。一般的に高レバレッジであればあるほど、高いリスクを取っていると解釈されています。具体例で説明させて頂きます。

豪ドル80円と想定します。売買単位は便宜上1万通貨としておきます。

そうなると、1万通貨での総代金はこうなります。

80円 × 1万通貨 = 80万円・・・・総代金

この80万円に対して証拠金をいくら入金させてあるかで実際のレバレッジの計算が出来ます。

*レバレッジ1倍

80万円の総代金に対して80万円を入金させるというケースです。これはレバレッジ計算ではこうなります。

80万円 ÷ 80万円 = レバレッジ1倍

為替変動のリスクは、銀行の「外貨預金」と同レベルです。それでも、外貨預金金利よりもスワップ金利の方が利回りが若いケースが多い為にこういう使い方をする人も案外います。

低リスクで安心できる運用法ですね。レバレッジ1倍であれば、どんな円高でも強制ロスカットは基本的には起きません。安全重視で低リスクでFXをやりたい方のレバレッジというところです。

*レバレッジ2倍

80万円の総代金に対して2分の1の40万円の証拠金を入金した状態です。

80万円 ÷ 2 = 40万円・・・レバレッジ2倍

この水準は、40円近くの円高となると証拠金が含み損で消えてしまう水準です。

*レバレッジ4倍

80万円の総代金に対して4分の1の20万円の証拠金を入金した状態です。

80万円 ÷ 4 =20万円・・・レバレッジ4倍

おそらく、2011年現在のスワップ中心の投資家のほとんどは、この4倍以内の運用をしていると思われます。2007年頃は、レバレッジ4倍など余裕がありすぎるとも言われていたのですが、現在はかなり違ってきています。

私が「 資産倍増計画」として運用している口座もこの範囲内での運用で続けています。

この水準は、20円近くの円高となると証拠金が含み損で消えてしまいます。

*レバレッジ10倍

80万円の総代金に対して10分の1の8万円の証拠金を入金した状態です。

80万円 ÷ 10 =8万円・・・レバレッジ10倍

デイトレなど売り買いを頻繁に行なう投資家は、これ以上のレバレッジの方が多いと思われます。スワップ投資とは、運用の考え方や損切り実行の迅速さが違います。

高レバレッジそのものを問題にするような雑誌記事などもたまにありますが、トレード系の投資家がレバレッジ10倍や20倍で運用するのはそのルールがしっかりしていて投資家が損切りなどをきっちり実行できるのであれば気にする必要はないと思っています。

心が緩むとレバレッジが上がる

2007年を振り返って私が教訓として指摘したのは、相場が緩く利益が出易くなってくると油断してしまい、自然にレバレッジが高くなる傾向があるという事です。

「もうちょっと高くしても平気かな?」とか「ここで勝負しないと儲けそこなう」といった気持ちが強くなってくると、自分のルールも忘れて大きなポジションを作ってしまいます、その結果、レバレッジも上がっていくようになります。

この辺は、今後も充分にご注意下さいませ。特に、今年などは2007年のような展開になる可能性も充分にあります。

最近の相場展開にご注意

実は私もそうなのですが・・・・・最近の豪ドルの値動きは緩い事が多くちょっと油断気味なのです。

こういう時は、「もっと買いポジションを作ろう」とか「もっと高いレバレッジにルールを変更しよう」なんて気になります。

こういう気持ちは私だけではないのではないかという気がしています。

ここ半年間の豪ドル相場は、値動きが緩く利益を出し易い環境が続いていました。ただ、一日の間の値動きは大きめだったのでトレード系の方は苦戦した方もいるかもしれません。

ただ、スワップ投資中心の方は総じ運用成績や含み益は上昇傾向だったと思われます。

まだ、完全に油断している人は少ないはずです。

それでも、今後円安が進行していくようであれば、今回書いた2007年の状況を思い出して欲しいのです。前にも書きましたが今回も念のために書いておきます。

「スワップ投資で油断するとレバレッジが高くなりやすい」

レバレッジが高くなると簡単に大損する可能性がでてくるので注意して下さい。油断さえしなければ、円高相場となっても適切な対応は可能です。この部分は、私自身が自分に言い聞かせているところでもあります。

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2007年後半から、暴落は始まった。これは後から考えれば「第一波」とでも呼べるようなものであった。

主人公キヨプーは、ポジションをゼロにした後何をやっていたのか。

次回へ続く

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