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休みはFXでもうけるために大切 第9話
休みが大切・・・と書いてもピンとこない方が多いかもしれません。でも、相場の達人ほど休みを重視します。実は、私もその大切さを何度も経験している一人です。
相場巧者ほど重視する「休み」
この連載で「休みってそんなに大切なものなの?」と思っている方もいるかもしれません。実は、セミプロクラス以上で相場巧者ほど「休み」を大切にする傾向があります。例えば、私の相場の師匠林輝太郎および立花義正氏の言葉の中にもあります。
「うねり取り成功のこつは休みをいれること」〜 林輝太郎
−ーー 以下、「あなたも株のプロになれる」より一部加工抜粋
私が30年間売買を続けながら、苦しんで苦しんで得た上達のコツはあまりにも簡単ですが3つあります。そのうちの1つはこれです。
「ゼロを作る(休みをいれる」〜 立花義正
ーーー 抜粋終了
休みの重要性は、多くの相場師が指摘しています。前に紹介した「相場の神様」と呼ばれた山崎種二氏などもそうで、休むべきところで相場を張ったために現在価値で数億円の損をしたという実話もあります。
林輝太郎氏の言葉は、「うねり取り入門」の中にあります。この本は、「うねり取り実践者」のほとんどが所有しているだろうと思われる定番教科書の1つです。
うねり取り教科書「プロが教える株式投資:板垣弘著」を読んでうねり取りに本格的に取り組み始めたら是非読んで頂きたい本でもあります。
立花義正氏もまた、FXで実践者が多い「リズム取り」の相場師です。
「休み」というのは「売り」「買い」同様に売買判断の1つと呼んでも差し支えない存在です。
休みは売買判断の1つ
相場は売るもの買うもの休むもの〜 相場格言
これは、多くの投資家が知っている格言の1つで説明は要らないかもしれません。この中にもある通り、相場の売買判断には3つあります。
- 買い
- 売り
- 休み
この中で一般的には最も軽視されているのに、運用力が上がってくると重要度が上がっていくのが「休み」です。これは、実際に意識して休みを入れている投資家でないとわからない感覚でもあります。
なぜ休まなければならないのか?
休みの重要性は、他の職業やスポーツで考えると理解できると思います。例えば、「サラリーマン」や「スポーツ」です。
*サラリーマン
例えば、サラリーマンが休み返上で仕事をすると沢山の仕事をこなせるでしょうか?
たまに、休み返上で集中できるような時は沢山の仕事をこなせるという事はあります。でも、一年間全く休みがなくて働き続けたらどうなるでしょう。
倒れてしまうかもしれませんね。しかも、集中力も切れてメリハリもなくなるのでこなす仕事量もどんどん落ちていきます。
休むべきときは休み、仕事すべき時には集中してこなす。
このバランスとメリハリを維持することが10年・20年と仕事で成果を出し続けるためには必要不可欠であることは皆さんもご承知の通りです。
*スポーツ
スポーツでも同様です。最近はトレーニング方法がいろいろと開発されてきていますので、「休み」の大切さがはっきりと認識されています。
例えば、筋肉を作る際は「トレーニング」⇒「適度な休み」⇒「トレーニング」というのを繰り返すそうです。「休み」を意識的に入れることで筋肉もつきやすく、強いスポーツ選手になれるのだそうです。
FXにおける「休み」も同じ意味があります。
「うねり取り」や「リズム取り」の教科書では「休み」は重要なルールの1つとして存在します。このルールを疎かにせずに、実行できるように意識していきましょう。
休み 3つの方法
さて、実際の「休み」のルールについても簡単に紹介しておきます。休みの実行の仕方には以下の3つがあります。
- 場帖の動きで休む日を決める
- 区切りとしての休み
- 目標達成での休み
この中の1つか2つを選んで実行すると良いと思います。1つづつ簡単に説明します。
*場帖の動きで休む日を決める
これは、私も採用している「休み」のルールです。場帖やグラフで上「天井」となり易い形があります。その形になった時に「休み」を入れるようにしています。
「グラフが●●の形になったらポジションゼロで休み」
こういう感じの売買ルールです。
*区切りとしての休み
これは、「12月31日にポジションを全部切る」という具合に日にちを決めて実行するやり方です。この方法をやっている方は結構います。昔から「年末の区切り」と呼ばれる方法です。
年末にポジションをゼロにする事で、正月をノンビリと過ごせて頭をクリアに出来ます。
翌年になって、「あのポジションは継続だな」と判断すればもう一度同じポジションを作ります。でも、実際にはこういう事は少なく、「あのポジションは整理しておいて正解」という事の方が多いようです。
*目標達成での休み
「1千万円」とか「1億円」など目標額を決めておいて達成した時に休みを入れる方法です。この方法もよく使われます。運用資産が1億円になった時に「休み」を入れたりする人は特に多いようです。
相場巧者は休み上手
立花義正氏は、1年の3分の2も休んでいるときもあったといわれています。
林輝太郎氏は、10億円達成とともに1年に渡る長期間の休みを入れています。これらの例に限らず、昔から「休みを入れられる人で相場のヘタな人はいない」と言われます。
そして、「長い休みを取れる人程運用技術のレベルも高い」というのも事実です。
この意味は、実際に「休み」を入れようとする時にわかります。
運用技術が未熟なうちは、ルールで決めていてもなかなか休めません。ポジションを常に持っていないと安心出来ない心理が投資家には潜在的にあります。
ポジションを決済すると同時に、すぐに新しいポジションが作りたくなります。最初のうちは3日くらい休むのも大変なのです。
「休むと儲けそこなう」
そんな気持ちも強いのかもしれません。でも、休みが長期間入れられるようになればなるほど不思議と利益も大きく出るようになります。
2007年当時も、私は休みを入れる事で暴落第一波を無傷で乗り切りました。もしも、休みを入れずに豪ドルの買いポジションを持っていれば、その時点でそれ相応の損切りをしていたと思われます。
これからも適度に休みを入れていくつもりでいます。
次回へ続く